幼年期小説「また一緒に…」3

登場人物

シママ

幼い男の子

妹のポニニとよく遊ぶ

スポーツが得意




ポニニ

幼い女の子

兄のシママの事が大好き

頭脳派




ルリリ

幼い女の子

引っ越してきたばかり

とにかく可愛い(シママ談)




担任
シママとルリリの担任

ぼけーっとしている。


第三章


「はぁ…はぁ…」

「な…何とかセーフだね…」

「う…うん」

シママとルリリはなぜか息を切らせて

幼年訓練所にいた。

どうしてかというと…


〜数時間前〜

「うわ…やば…。」

「シママくーん!はやくー!!」

「ごめん…おまたせ…。」

「早く行かないと間に合わないよ!!」

「ほんとにごめん…ふぁぁ…。」

こんな事になったのは昨日の夜、

徹夜でドリルをやっていて、

あんまりねむれなかったせいである。

「うぅ…まだ眠いよぉ…。」

「シママ君しっかり!」

「ほへぇ…。」

そんなこんなでルリリがシママを引っ張る形で

幼年訓練所の入学式に間に合ったということなのです。


「しっかし、こんなにたくさんの僕と

同い年のひとを見るなんて初めてだよ。」

「そっかぁ…。でも、私が引っ越す前のところは

このくらいフツーにいたよ。」

「へぇー。そうなんだー。」

シママたちが住んでいる高級住宅街と呼ばれる場所は、

なぜかお年寄りが多いのだ。

ここにいるほとんどの子供(シママとルリリ以外)は

近くの集合団地に住んでいる子供らしい。

しばらくして校舎に近づいたときに

玄関に人がたくさんいた。

「あ、そっか。クラス分けがあるんだっけ。」

「えぇ。シママ君と一緒だったら良いけど…。」

「えーっと…。っしょ!」

シママはジャンプして張り紙を見た。

「どぉ?みえた?」

「うん。僕らは一緒のクラスだよ。」

「やったぁ!シママ君良く見えたね!」

「うん。まぁね…。」

「で、何組なの?」

「うん。一組だよ。」

「じゃあ、行こうか!」




「はい、皆さん、早く席についてください。」

「担任の先生らしいよ。」

シママはルリリに耳打ちした。

「へぇ…。なんか…。」

ぼけっとしてみえる。

二人は同時にそう思った。

二人は苦笑いしていた。

「でさ、僕さっきから気になってることがあるんだけど…。」

「あ、実は私も…。」

「「あのさ。」」

「!え。あ…!シママ君先に言っていいよ!」

「あ…実はさ…。さっきから

ルリリにみんなの視線が言ってる気がしなくも無いんだけど…。」

「え!私もシママ君に視線がって…。」

「きっと僕たちだけ区域が違うから見たことなくって

…ってことじゃない?」

「あ!なるほど!私、顔に何かついてるのかと思った。」

「いや。何にもついてないよ。」

「よかったぁ。」

初めてシママとルリリを見た人たちは、

かっこいい。もしくは、かわいいと

思ってしまっていた。



「はぁ〜。疲れたね。」

「うん。これからは授業とかがあってもっと大変になると思うけどね。」

「うへぇ…。」

あのあとは何事も無く入学式は終わった。

「じゃあねシママ君!また明日!」

「うん。ばいばい!」


ルリリと別れて帰っていると、家が見えてきた。

ガチャ

「あ、ポニニ。ただいま。」

「あ…お…おかえり…。」

どっかに行くのか、すぐに向こうを向いた。

「僕が幼年訓練所に行ってる間に何かあった?」

軽い気持ちでそう聞いた。

『暇だったよぉ。』って言う答えを待っていた。

待っていた。

でも、ポニニは元気なく、

「う…ん。普通。」

と返してそのまま走っていった。

ポニニの様子が普段と違うのを

シママは気がつけなかった。



第三章終わり


次回
シママとルリリは遠足!



第四章に続く