幼年期小説「また一緒に…」6

登場人物


ポニニ
女の子

兄のシママの事が大好き

頭脳派

今回のメイン





シママ

男の子

妹のポニニとよく遊ぶ

スポーツが得意





デナナ

白衣の女

今回初登場

その実態は…?





ルリリ

女の子

シママの同級生

とにかく可愛い(シママ談)





家庭教師

シママの家庭教師

とにかく何に対してもうるさい

(特にシママが勉強をさぼったとき)




第六章


プロローグ対象

何でなんだろうなぁ…。

いつも思うんだけど、

なんで周りの皆ってこうも

バカ

ばっかりなんだろうなぁ…。



子供の頃―

ルリリちゃんが来るずっと前から思っていた。

なんで自分だけ…と。




一章対象

ルリリちゃんが来た頃―

なんだかシマ兄、

最近いきいきしてきたなぁ…。

そりゃそうだよね。

だって私以外の友達が

初めて出来たんだから。






二章対象

明日から一人で家にいなくちゃいけないんだ…

寂しいな―






三章対象

シママが幼年訓練所に入った頃―

あの事件が起こった―






それは、シママが入学式に行っている間に起こった。

自分の部屋で読書をしていたときの話。

コンコン

誰かが扉を叩く音がした。

「失礼します。」

「あ。はい。どうぞ。」

ガチャという音とともに

目の前に見知らぬケロン人が現れた。

「えっと…。どちら様ですか?」

「私こういうものです。」

差し出された名刺を受け取った。

「『遺伝子学研究遺伝子操作組組長 デナナ』さん?」

「はい。そうです。」

「遺伝子操作するようなお方が何故此処に?」

そういいつつ恐る恐る相手の顔を見た。

すると、驚いた事に―





顔が笑っていた




だけど目は





笑っていなかった








「ええ。データが欲しくてね。」

間を置いて答えが帰って来た。

「データって何ですか?私には関係のないことのように。」

「ありますよ。」

突然言葉を遮られた。

でも…関係ある…?

私が…??


そんな私の疑問を悟ってか、

「ポニニさんあなたは。

…いいえ。あなたたちの遺伝子は私が作ったんですから。」

と、デナナは言った。







時間は経ち、

デナナの話を考えていた。

デナナの話を要約するとこう。


まず。私たちの父は優秀な子供を欲しがったらしい。

それで、母との間に産まれる私たち

細工して天才に仕上げようとしたらしい。

だが、まだ不確定要素が多い遺伝子操作研究の中、

私たちは半分ずつ成功した実験体であること。


それで何か分かった気がする。

なんでシママの運動神経がいいのか。

なんで私の考えは周りより飛躍しすぎているのか。



そして、もう一つデナナは言っていた。

『あなたたちは同じ日に産まれている。』

いくら遺伝子操作が不確定といえど、

通常ならそこまで確立が低くないんだという。

しかし、双子の場合はまた勝手が違うらしい。

何故私とシマ兄の間にタイムラグがあるかについてもこういっていた。

『あなたの父は当時、双子だと色々と都合が悪かったみたい。

それであなたの時間を遅らせた…ただそれだけ。』

方法は特殊相対性理論を利用した時間のずれを利用したらしい。

企業秘密らしいからそこまで詳しく教えてくれなかったけどね。



これは正直驚いたが、ある意味納得がいった。

シママと私、結構外見そっくりだもん。



そしてデナナは最後にこう言い残していった。

『遺伝子操作したからには最後まで管理しなくてはいけないの。

だからあなた達のデータを採りたいなって。じゃ、返事待ってるね。』

そう言って部屋から出て行ったあの姿が目に焼きついていた。





正直、今ペコポン人でいう小学生のシママには理解できるはずもなく、

頭脳優秀なポニニだからこそデナナさんは話したんだと思う。

シママより年下なのにね。



今、シマ兄に言っても理解してもらえない。

そうなれば出来る事はただ一つ―。




玄関を飛び出したらシマ兄が目の前にいて一瞬ビックリした。

「あ、ポニニ。ただいま。」

「あ…お…おかえり…。」

なんか喋り辛いなぁ…。

「僕が幼年訓練所に行ってる間に何かあった?」

あったよ。色々。

でも、心配かけたくない―。

「う…ん。普通。」

あ。やばい。そっけなくなったかも。

でも。早く返事をしにいかなきゃ。

そう思いながらシママに背を向けた。



地元の大病院―

デナナさんはそこに普段勤めているそうだ。

その病院の受付付近にデナナさんは居た。

「あれ?意外と返事早いね?で、返事は?」

「私のデータならいくらでもどうぞ。その代わり―



―シマ兄にはこのことを言わないで―
















四章対象


今日はシマ兄遠足かぁ…シマ兄にはがんばって欲しいなぁ―



帰って来たシマ兄を見て少しおかしい事に気がついた。

「シマ兄、どうしたの?」

ふらふらしているシママを見て少し心配になった。

「う…ん。ちょっと遠足から帰って来てから…。」

最後まで言わずに倒れた。




大病院にて―

「で。何で主治医がデナナさんなんですか?」

「偶然だよ。全く。疑り深過ぎて可愛くない。」

シママを運び込んで来たのはいいけど、

なんでこの人。

頭を抱え込むポニニにを見てかそれとも前から考えていたのかデナナは

「…ねぇ。シママ君のデータ採っていいかな?」

って。…言うと思ったよ!!!

でも、この数ヶ月の間にデナナに何でデータが必要なのかを聞いていた。

その理由はこうだった。

『無理に遺伝子をいじって成人前に死んでしまうというデータがあってね。

その確立を少しでも減らすためね。多少なら未然に防げるのよ。』

そんな話を聞いているから、流石に採らないわけにはいかない。

なので、条件付で承諾した。

条件はシママに気づかれないように。ただそれだけ。


翌日からは自宅療養をしていたし、

ずいぶん熱も下がっていた。

すごい生命力だなぁ…。

そんな事を思っていたら、

ルリリちゃんが来てシマ兄と揚げパンを食べていた。

いくらなんでもボーっとしすぎだったかも…。









五章対象


「誰がメイドだよ。」

苦笑しながら隣でデナナさんが言った。

「急に来る方が悪い。」

「いやいやちゃんと時間言ってたよね!?」

「電話くらい使ってってこと。」

何ヶ月も何回も顔を合わせたから、

もう打ち解けている。

年の差なんて関係ない。

今ならそう思う。







この時位から、

前々気にはなっていた本当のメイドさん達の冷たい目が

最近、もっと冷たくなっているような…。

…気のせいか。







第六章終わり


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第七章に続く