幼年期小説「また一緒に…」5

登場人物

シママ

幼い男の子

妹のポニニとよく遊ぶ

スポーツが得意






ポニニ

幼い女の子

兄のシママの事が大好き

頭脳派






ルリリ

幼い女の子

引っ越してきたばかり

とにかく可愛い(シママ談)




家庭教師

シママの家庭教師

とにかく何に対してもうるさい

(特にシママが勉強をさぼったとき)


第五章


「今日こそやってもらいますからね!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

シママは今逃げていた。

ものすごい形相で走ってくる

元アスリートの家庭教師から…。

「連日さぼって…!!いい気になってるんじゃありません!!」

「いや…いい気になってないってぇぇぇぇ!!」

二人のおいかけっこは今朝からずっとである。

昼前になってもまだ走り回る二人の体力にはただただ脱帽である。

それを見る一人、ポ二ニ。

「ホント、シマ兄たちすごい…。」

彼女は今自分の部屋でその光景を眺めている。

「あはは♪楽しそう♪」

今彼女の隣にはシママと遊ぼうと思って家に来たルリリが居る。

「そういえばポ二ニちゃん。」

「ん?なに?」

「この前、シママくんの身体テストの結果聞いた?」

「?いいえ…。」

「あ、ポニニちゃんには言ってなかったんだ。」

「え…。うん。」

「?」

ポニニの顔が一瞬陰った気がした。

「で、シマ兄がどうしたの?」

…気のせいか。

「えっとねぇ、シママくん、学年どころか歴代トップの身体能力らしいよ。」

「ええ!?知らなかった!!!」

「でも、分からなくもないよねぇ。」

と、二人は申し合わせたかの様にまた庭を見た。

「もうかんべんしてぇぇぇ!!」

「いいえ!今日は絶対に諦めませんよぉ!!!」

「ひいいぃぃ!!」

二人が見ていない間にいつの間にか家庭教師の手に投げ縄が…。

「あひょっ!!?」

「「あ。」」

「ふふふ。捕まえましたよぉ…。」

「いやぁぁぁ!!逃がしてぇぇ!!」

「いいから来なさい!」

シママがついに捕まってしまった。

「あ〜あ。今日は教師の勝ちだわ。」

「今日は?」

「あ、うん。昨日はシママくんの作戦勝ち。」

「へぇ。どんなの?」

「…あはは。」

「え…。」

「聞きたい?」

「…やめとくね。」

「うん…。昨日のはねぇ…。」

「!?」

「ま、それはそれとして、そういえばルリリちゃんの身体テストどうだった?」

「えっとねぇ…。」

コンコン…。

「失礼します。」

「誰?」ぼそっ

「うちのメイド。用は何?」

「はい。身体調査の時間です。」

「…!!忘れてた!」

「え?用事?」

「あ…うん。ごめんね。」

「いやいやいいよ。」

「シマ兄が来るまで、ここで待ってて。」

「うん。」

「ポニニお嬢様。行きましょう。」

「はい。じゃぁねルリリちゃん!」

「うん!じゃぁね!」

ぱたんと音を立ててポニニは行ってしまった。

「ポニニちゃんも色々大変なんだなぁ。」

でも、ここのメイドなのに白衣…?



ルリリちゃん!」

「ひゃっ!?」

シママが思いっきり扉を開いてイキナリ呼びかけたから

ルリリちゃんはビックリして、目が点に…。

「あ。ごめんごめん。」

「あ!いいよいいよ。ビックリしただけ。」

「あれ?ポニニは?」

「え?白衣の人とどっかいったよ。」

「…?なんだろう?」

「え?シママくん知らないの?」

「うん。」

「なんだろう…?」

「あ。そういえば”身体調査”って言ってたよ?」

「え…なにそれ?」

「え…。シママくんやってないの?」

「うん。身に覚えがない。」

「「…。」」

いったいポニニに何があったのかと、

心配する二人であった。





第五章終わり


次は今までのストーリーのポニニ視点!

何があったのかを書きます。




第六章に続く。